はじめに
今回紹介するガンダムは、
HGUC 165 「ヴィクトリーガンダム」です。
キットは2013年11月発売。定価1,200円(税抜)。
ヴィクトリーガンダムはTVアニメ「機動戦士Vガンダム」で、
主人公ウッソ・エヴィンが搭乗する前半の主役ガンダム。
ウッソがV2ガンダムに乗り換えた後は、主にマーベット・フィンガーハットが
V字型アンテナのヴィクトリーに搭乗。
オールガンダムプロジェクト(AGP)にて、宇宙世紀後半の
小型MS第1弾として驚きのHGUC化を果たした主役ガンダム、
ヴィクトリーガンダムの簡単フィニッシュを紹介いたします。
※機体本体と基本装備のみに
ゲート処理、合わせ目消し、部分塗装、スミ入れ、つや消しクリアーの
簡単フィニッシュを施したキットの素立ちレビューとなります。
素立ち総観
右手にビームライフルを装備。
ビームシールドや付属のコアファイターなどはオミットしています。
関節構造
首関節はダブルボールジョイント式。
設定上、頭部が胴体に格納されるVですが、非変形の当キットでも首周りの
空間が大きく取られており、ここまで頭部を下向きにできます。
胴体は腹部と腰部分割され、二重のボールジョイント可動です。
肩部の接続もボールジョント。
ボールジョイントにより、肩を前後にスイングできるので胸を張れますが
斜め横から胴体受け側のポリキャップが若干目立ちます。
股関節は軸パーツの組み合わせ。腿ロールもあるので広い可動範囲があります。
この方式で太腿の上部まで装甲に覆われているキットは珍しいかも。
足首関節の構造。
こちらもアンクルアーマーを関節パーツの左右に突き出したピンに
引っ掛けるだけという珍しい構造。
腕の上げは水平に少し届かないくらい。
アンクルアーマーの接続が特殊だったのですが、接地性はまあまあ高いです。
ヒジ関節はデザインを犠牲にした分、180度曲げることが可能。
一方、ヒザ関節は妙に太腿側が長くなり不自然な形に。それでいて
可動範囲も広くありません。
腰のフロントアーマーも水平まで跳ね上げができず、可動に干渉します。
合わせ目
頭部は前後張り合わせで、合わせ目はトサカ部のみ処理が必要。
腕部は、前腕正面の下側と裏肘に合わせ目がでます。
ビームサーベルハッチに小さな▽△モールドがありますが、
上の▽にパーティングライン、下の△に合わせ目が中心にきますので、
それぞれ処理には細心の注意が必要となります。
ビームライフルはお馴染みのモナカ割りなので、ここも合わせ目処理が必要です。
部分塗装
頭部はツインアイをメタグリーンで塗装。
メインカメラの前後は付属シールです。
頬や胴体上部に突き出したダクト内はブラックで塗装してます。
胴体中心のコクピット周りと、腰部のダクト内をミッドナイトブルーで塗装。
肩アーマー横のスラスター内、ヒジ関節や腰アーマーのハードポイントも
ミッドナイトブルーで塗装。
脚部はヒザアーマーのダクト、ハードポイント、アンクルアーマー横、踵裏も
ミッドナイトブルーで。
足首正面はアンクルアーマーで隠れますが、グレーで塗装してます。
背面はバックパックと腰のバーニア内をブラックで塗った程度。
ビームライフルのセンサー部は付属シール。
部分塗装箇所は多くなく、難易度は低いです。
注意点
アンテナが小さく細いため破損に注意。
合わせ目のところでも書きましたが、前腕の▽△はかなり鬼仕様なので
処理する場合は細心の注意を払って下さい。
また、私は諦めましたがヒジ関節を設定に近付ける為にホワイト塗装する際は
クリアランス確保が重要となります。
キット比較
素組みキットと比較。
Vガンはもともとシンプルなデザインで、色分けやディテールが多くないので
部分塗装箇所はほとんどありません。
ダクトやハードポイント内をミッドナイトブルーで塗装するだけでも
グッと締まりが出ます。
宇宙世紀の小型ガンダムであるF91、X1と並べて。
やはりV1はデザインのシンプルさが特徴的ですね。
うーん、並べてみるとやっぱりヒジ関節と手首の大きさが顕著に
表れてしまいます。
ついでにサイズ比較で初代と並べておきます。
素立ちキマリ度
評価:★★★☆☆ 星3つ
元デザインがまったく再現されてないヒジ関節と大きな手首。
この2点が評価を大きく落としました。
また、全体的にMG Ver.Kaとほぼ同じスタイリングなので
脚周りにもっとクビレのあるメリハリさが欲しかったです。
思起 ヴィクトリーガンダム
「機動戦士Vガンダム」は私がリアルタイムで視聴した初めてのTVシリーズでした。
主人公ウッソと実年齢がほぼ一緒だったこともあって、思い入れの強い作品です。
当時はDVDやBD、まして定額ネット配信など無かったため、
何度もレンタルビデオ店でVHSを借りては見返していました。
宗教臭が強かったり、死亡シーンも多く暗いイメージがあるVガンですが
リガミリティアの女性や老人、子供たちが、
正規の軍人以上に逞しく戦っていく姿がカッコ良く思えました。
また、カテジナをはじめ、ファラやルペ・シノなど敵側の女性キャラに
ぶっ飛んだ人が多いのもVガンの大きな魅力の一つですね。
V2ガンダムが登場してからはV1とも呼ばれるようになる
ヴィクトリーガンダムですが、当時はV2のデザインがあまり好きではなく
V1、特にVダッシュガンダムがお気に入りでした。
Vがプラスパーツで強化され「V′」になる、というネーミングは
歴代MS名の中でも抜群のセンスだと個人的に思ってます。
頭部やバックパックが組み込まれたコアファイターも秀逸なデザインで
可愛さもあって大好きです。
V1は主役ガンダムでは珍しい大量量産機設定のガンダムです
(他には陸戦型ガンダムくらいでしょうか)。
ヘキサや豊富な武器設定がありますので、オレVガンの妄想で楽しめる機体でもありますね。
ヴィクトリーガンダムのキットは、放送当時発売されていた
旧1/144キットを遊び倒していました。
良プロポーション、Vフレームを使用した可動、クリアパーツ含む多色成形で、
500円ながらもかなり楽しめるキットでした。
旧1/100HGも購入していましたが、変形機構の犠牲による可動範囲の狭さで
MS形態では1/144に軍配が上がるかと思います。
ガッシリめなスタイルはそれはそれでカッコいいのですが。
MGは組んではいませんが、あの複雑な変形合体はMGでも厳しかったのか
強度と可動が犠牲になっているようですね。
私は完全変形よりも差し換え派なので、可動とスタイルを重視した
RE/100のようなキットが出れば絶対買っちゃいます。
おわりに
HGUC 165 ヴィクトリーガンダムは、HGUCの小型MS第1弾だったこともあり
若干煮詰め切れてない部分が残るキットだと思います。
AGPまでの時間が足りなかったのか、プロポーションはMGを
参考にしているようですし、何よりヒジ関節が致命的に印象を悪くしています。
その他の色分け等は小サイズながらよく再現されていましたので、
この関節周りについては残念でした。
ただし、小型MSのHGUC化という終わりのないディフェンスを終わらせた
キットとしての功績は、
HGUCヴィクトリーガンダムは讃えて然るべきです。
ビルド系でも構いませんので、アップデート可能なカスタム機体のキット化を
是非とも希望いたします。
ではでは。
V2ガンダムのレビューはこちらです。
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