HGUC REVIVEガンダムを簡単フィニッシュで仕上げてみた手順紹介【ガンプラ初心者向け】

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ガンプラ制作
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はじめに

どうも皆さんこんにちは。このブログの管理人「すだち城の殿」と申します。

今回はガンプラの初心者さんやパチ組み卒業希望者さん向けに、ふだん私がおこなっている簡単フィニッシュ製作方法の手順をご紹介したいと思います。

一つでも皆様のご参考となるものがございましたら幸いです。


ちなみに上の画像のモビルハロは、私がアバター役として製作した「モビル・トノ」です。

ガンダムマーカーエアブラシシステムを使用して一部塗装しています。モビルハロもなかなかおもしろいキットなので、ぜひお手に取ってみて下さい。

キット準備

今回、簡単フィニッシュに使用するキットは「HGUC 191 RX-78-2 ガンダム」です。俗にいうREVIVEガンダム、通称リバガンですね。

HGUC 021番のガンダムから14年の時を経てリリースされた、新たな1/144HGのスタンダードキットとなっているファーストガンダムのガンプラです。

初心者の方々に製作手順を紹介するのにはベストなキットだと思い、このリバガンをチョイスしました(押し入れに長年積みっぱなしにしていて、いい機会だと引っ張り出してきた、という訳では決してございません……)。


カッコいいパッケージアートを堪能したあとは、中身の「ランナー」をビニールから取り出します。パーツがすべて揃っているかチェックしながらが望ましいです。

シールやデカール類は最後の方で使用しますので、ビニールに入れたまま保管しておきましょう。


まずは「説明書」をひらいて機体の解説を読み、製作意欲を高めます。そして組み立て説明にひととおり目を通し、じっくりと製作プランを練ります。

無計画で突っ走ってしまっては、たとえ組み立てが非常に簡単になった昨今のガンプラといえども、必ず失敗してしまいます。

ガンプラは比較的リカバーが容易なホビーではありますが、やり直しに時間をかけてしまいますと、手間をできるだけかけない目的の簡単フィニッシュ法の本末転倒です。

効率よく合わせ目消し、ヤスリ掛け、塗装がおこなえるよう、最初に製作プランを練って、計画的に進めていきましょう。


しかし、キット付属の説明書だけでは正直細かいところまで完成イメージがわきません。
本当は仮組みをしてみるのが一番なのですが、その時間も私ははぶきたい派です。


ならどうするか。「ネット」に頼ります。

優秀な素組みレビューサイトさまを複数ハシゴして、多角的に情報をあつめ、製作プランを練っていくのです。

劇的な進化をとげたリバガンですが、頭部、下半身、武器類を中心に合わせ目や部分塗装が必要になることがわかりました。

部分塗装には、初心者にも導入しやすいガンダムマーカーのみでおこなっていこうと思います。

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大まかな製作手順

わたしの簡単フィニッシュの手順は、大まかに下記となります。

①パーツ切り離し
②合わせ目接着(合わせ目処理が必要なパーツ)
③ゲート処理(ヤスリ掛け)
④合わせ目処理(ヤスリ掛け)
⑤部分塗装
⑥スミ入れ
⑦全パーツ洗浄
⑧シール、ステッカー貼り
⑨つや消しトップコート
⑩最終組み立て

ただし、キット内容によっては部分塗装のあとに合わせ目消しをしなければならないパーツがあったりと、工程を同時に処理したり前後させたり、一概に手順通りとはいきません。

それでは早速、REVIVEガンダムの簡単フィニッシュ製作にとりかかりましょう。

パーツ切り離し

まずはパーツをランナーから切り離していきます。


パーツ切り離しには、「ニッパー」を使います。

ガンプラ製作では一番使用ひんどが高いツールと言えます。きちんとしたプラモデル用の薄刃ニッパーを使用しましょう。

ちなみに私は長年タミヤの薄刃ニッパーを愛用しています。


ここでは、合わせ目処理が必要なスネのパーツをランナーから切り離してみましょう。

パーツをランナーから切りはなす際は、必ず「二度切り」をおこないます。


パーツとランナーは、大体3か所ほどの「ゲート」という細いランナー部分でつながっています。

このゲートの太い部分と細い部分の境目を、ニッパーで切断します。


3か所をニッパーで切断し、パーツをランナーから切り離しました。

このように、まずパーツから少し離れた部分でゲートを切ることによりパーツへの負荷を最小とし、エグれや切り口の白化をある程度おさえることができます。


そして、改めて飛び出していた3か所のゲート部分をパーツ際ギリギリ、ほんの少しだけ残す程度で切り落とします。


これでパーツ切り離しの「二度切り」が完成しました。

すべてのパーツでこの二度切りをおこないます。とくに青や赤などの色の濃いパーツはゲート跡の白化が目立ちやすいので、より丁寧に二度切りで切り離して下さい。

パーツの切り離しは、部位ごとにパーツを切り離して組み立てて、また部位ごとに切り離して組み立てて、を繰り返してもよいです。

ガンプラに慣れている方は、最初に全部のパーツを切り離してから組み立てでもよいと思います。

わたしは最初に全部のパーツを切り離すやり方をしています。たまに、小さいパーツに気付かずランナーに残したままゴミ箱いきになっていることがありますので気を付けてくださいね。

スネパーツの合わせ目消し

次に、合わせ目消しの処理をおこなっていきます。

簡単フィニッシュでは大部分が成型色のままとなりますので、塗装をせずとも合わせ目かしょを目立たなくできるプラモデル用「接着剤」でパーツを接着する方法で合わせ目を消しています。

REVIVEガンダムの合わせ目消しが必要なかしょは、頭部、スネ、武器類とかなり少なめです。

一番簡単なスネパーツの合わせ目消しからおこなっていきましょう。


私は上の画像の白いタミヤセメントを愛用しています。


このスネのパーツは合わせ目が正面と、うしろのふくらはぎに出るようです。


ポリパーツなどの内部に組み込むパーツは、あらかじめ組み込んでおくのを忘れないようにしましょう。


さらに、接着する前に内部の凸ピンをできるだけニッパーで斜めにカットしておきます。


上のように、大きめのピン3か所を斜めにカットしました。

ピンをカットしておく理由は2点あります。
・個体差でピンのはめ込みがきつめだった場合、パーツ同士が浮いてしまいうまく合わせ目が消えない場合があるため
・どうしてもピンのはめ込みかしょに負荷(テンション)がかかるため、エナメル塗料でスミ入れをするとテンションかしょが割れるリスクがある

それでは接着剤を塗っていきます。


最初に、片方のパーツ(ピンが凸のパーツ)の接着かしょに少量の接着剤を塗ります。

パーツの内側から外側に向かってフタのハケを動かします。

接着剤は同じかしょに2回塗るのですが、1回目は塗ったかしょに光沢が出る程度の量でよいです。


次に、もう片方のパーツ(ピンが凹のパーツ)の接着かしょに少量の接着剤を塗ります。

同じように光沢が出る程度の量で、パーツの内側から外側に向かって塗っていきます。


両パーツの1回目を少量塗り終えたら、続いて2回目の塗りをおこないます。


2回目は接着剤をたっぷりと塗ります。1回目と同様、パーツの内側から外側に向かって塗っていきます。

わたしの経験則になりますが、1回目の塗りのおかげで2回目にたっぷりと接着剤を塗っても表面張力のようになり、パーツの余計なところに接着剤が垂れたりはみ出したりが少なくなります。


2回目を塗り終えて1~2分置いた後、パーツ同士をはめ合わせます。

少し時間を置いた方が粘りが出て余計なところに垂れにくくなります。


パーツをはめ合わせた部分に接着剤が山のようにムニュっと盛り上がります。

プラモデル用接着剤は、プラスチックを溶かてパーツ同士を強力にくっ付けるものです。
このパーツが溶け出した接着剤の盛り上がりが、乾燥した後にパテの役割となって合わせ目を埋め目立たなくするのです。


両足のスネ部位の接着剤塗布が完了しました。

接着剤を塗ったパーツは1週間、できれば2週間は放置してください。

接着剤は乾燥すると体積が縮みます。

乾燥が不十分のまま接着かしょをヤスリ掛けしてしまうと、その後の完全乾燥でパーツ合わせ目かしょが、ヒケといって凹んだ状態となります。

これでは合わせ目消しをおこなった意味が無くなりますので、十分に乾燥日数をとってください。

私は1キット目の制作をしながら、次につくる予定の2キット目の接着処理をおこなったりしています。

頭部パーツの合わせ目消し

続いて、「合わせ目消し」「部分塗装」「スミ入れ」と、複合的な処理が必要なガンダムの頭部パーツに取りかかります。


頭部パーツの一式です。


頭部のヘルメットパーツは前後はり合わせのため、側面に合わせ目が出ます。

しかし、このまま合わせ目消しのための接着をしてしまうと、塗装もしくはシール貼りが必要なフェイスパーツが組み込めなくなります。

後ハメ加工は難易度が高いため、わたしは先にフェイスパーツの塗装をおこなってからヘルメットパーツへ組み込み、接着をおこなっています。


フェイスパーツの一部です。

クリアイエローのデュアルアイのパーツには塗装をおこない、白色の口元パーツの「への字」モールドにはスミ入れをしていきます。


・ガンダムマーカー ガンダムイエロー
・ガンダムマーカー スミいれ用ブラック
・爪楊枝
・アルミホイル

塗装面積がきわめて小さいデュアルアイの塗装には、上記の道具を使っていきます。


アルミホイルは上の画像のようにうつわ状にして、簡単な塗料皿として使用します。


ガンダムマーカーをよく振り、アルミホイルにペン先を押しあて塗料を少量出します。

ガンダムイエローは黄色の塗料ですが隠蔽力が高く、ガンダムマーカーの中でもとくにおすすめのカラーです。


塗る面積はごくわずかですので、ここでは筆ではなく爪楊枝で軽く塗装をおこないます。


爪楊枝の先端に塗料を付け、デュアルアイの瞳の部分に塗っていきます。

コツとしては、塗料を塗るのではなくチョンチョンと乗せていく感覚です。

ちなみに、このような小さめのパーツを塗装する際、手持ち棒のクリップでははさみにくい場合がありますので、わざとランナーから切り離さずにランナーを手持ち棒の代わりにすると、作業がしやすくなります。


瞳にイエローを塗り終わりました。

ここでは塗料が豪快にはみ出しても気にしません。


デュアルアイの黒い部分をガンダムマーカースミ入れ用ブラックで塗装します。


黄色で塗った瞳の境目から、段差にそって一気にペンを動かします。

覚悟を決めて一発で塗り分けるようにしましょう。迷っていると境目の線がヘロヘロになってしまいます。

境目がうまく塗れたら、周りを塗りつぶしていきます。はみ出した黄色も、ここで塗り隠せます。


デュアルアイパーツを両目ともイエローとブラックで塗り分けることができました。


次にガンダムの口?鼻?にあたる特徴的なへの字モールドに、スミ入れをしていきます。


わたしはスミ入れに、タミヤのエナメルスミ入れ塗料を使用しています。

白の成型色パーツへのスミ入れはグレーを使うのが一般的ですが、ガンダムのへの字は目立つ深いモールドなので、ここではブラックでスミ入れをおこなってみます。


タミヤのエナメルスミ入れ塗料は、適度な濃度でフタのハケでそのまま塗ることができ、ラッカー塗料を始め、ガンダムマーカーや水性ホビーカラーの上からもほぼ侵すことなく塗れ、ふき取ることが可能です。

ただし、エナメル塗料の性質として、パーツを組み立てたあとの負荷(テンション)がかかっているかしょに塗料や溶剤が入り込むと、十中八九パーツが割れてしまいますので、じゅうぶんに注意が必要です。


スミ入れをしたいモールドに、チョンチョンと間隔をあけて、はみ出しを気にせずに塗料を乗せていきます。

シャバシャバに近い適度な濃度ですと、毛細血管現象で塗料がスーっとモールドを気持ちよく流れていくと思います。


30分ほど置きスミ入れ塗料が乾いたら、はみ出している塗料をふき取っていきます。

・エナメル塗料溶剤
・スポイト
・綿棒
ふき取りには上記の道具を使用します。


エナメル溶剤をスポイトで少量吸い出し、綿棒に染み込ませます。

綿棒の綿がすべてビシャビシャになる量では多すぎます。綿の先の部分が濡れる程度に染み込ませましょう。

はみ出た塗料を綿棒で軽くふき取っていきます。エナメル塗料は溶剤で簡単に取れますので、強くふき過ぎるとモールドの中の塗料まで消えてしまいます。軽くで大丈夫です。


はみ出しをふき取って、への字モールドへのスミ入れが完了しました。


部分塗装とスミ入れを施したパーツを組み合わせます。これでフェイスパーツ部がうまく出来上がりました。


この部分塗装で使用した爪楊枝とアルミホイルは、


丸めてゴミ箱にポイしちゃいます。

フェイスパーツのような少量程度の部分塗装であれば、筆と塗料皿を使用せず、塗装後の洗浄の手間もはぶくことが可能です。


ヘルメットパーツにフェイスパーツを組み込み、


接着剤を2回塗ってはめ合わせ、これでヘルメット側面の合わせ目消し処理がおこなえました。

武器類の合わせ目消し

ビームライフルとハイパーバズーカの合わせ目処理をおこなっていきましょう。


ビームライフルのパーツです。

ライフルの合わせ目を消すには、スコープとフォアグリップのパーツを先に組み込んでから接着する必要があります。


しかし、この2パーツには中心にパーティングライン(金型の合わせ目のつごうで成型される細い盛り上がり)が見受けられます。

わたしは可能な限りパーティングラインを消したい派です。ライフル本体に組み込んだあとだとヤスリでラインを消す作業は非常に困難になりますので、先に消しておく作業をしたいと思います。

わたし流のヤスリ掛け手順を紹介します。


・ヤスリスティック 先細型 400番
・神ヤス! スポンジ布ヤスリ 400番、600番、800番
ヤスリ掛けでおもに使用するツールは上記です。

「ヤスリスティック」は平らに面を削ることができます。先細型だとせまい場所でも使用できて便利です。

「神ヤス!スポンジヤスリ」は耐久性が高く、一般的な耐水ペーパーヤスリより長く使用できます。

曲面でもヤスリやすいです。厚みの種類がいくつかありますが5mmが万能だと思います。

同じかしょを「400番→600番→800番」と番手を上げてヤスっています。


また、ヤスリ掛け作業をする際は、塗料皿に水をためてヤスリかしょに水をつけながら作業をおこないます。

ヤスリの目詰まりやプラスチック粉塵が舞うのを、ある程度抑えることができるからです。


直線的なフォアグリップパーツのパーティングライン消しには、ヤスリスティックを使用します。

水をつけながら、パーツのヤスる部分へできるだけ平行にスティックを当て、一方方向に向けてかるーくヤスリ掛けを繰り返します。

スティックヤスリや棒ヤスリを使用したヤスリ掛けは、ヤスリすぎ防止のため往復方向ではヤスらず、必ず一方方向だけで力を入れずヤスり掛けをおこなって下さい。


ヤスリスティックでパーティングラインを消してみました。

今回のHGUC191ガンダムの関節部や武器類などに、2010年代からキットに多用されるようになった「KPS素材」は、400番の粗目なスティックでヤスリ掛けをおこなうと上の画像のようにけば立ちが発生することがあります。


同じ400番ですが、スポンジヤスリを軽く掛けることでけば立ちを落とすことができました。


また、円状スコープ部のパーティングラインの処理をおこなう場合にも、曲面にフィットできるスポンジヤスリを使用するのがベストです。


局面にスポンジヤスリをそわせて動かすことで、なめらかにパーティングラインを処理することができました。

スポンジヤスリはその柔軟さが最大の長所ですので、往復方向に動かしても、多少力を入れ過ぎても問題はないでしょう。


ライフル本体パーツに、パーティングライン処理を施したスコープ部とフォグリップ部を組み込み、


可動部に接着剤が付かないようにじゅうぶん注意しながら、合わせ目消し用の接着剤を2回塗りします。


上面、下面ともに接着をおこない、上手くムニュっとした盛りを作ることができました。

奥まった箇所や、先端近くの溝が3本入っている箇所などは、合わせ目が目立ちにくいため私は無理に接着はおこないません。


ハイバーバズーカも同様に接着し、合わせ目消し処理をおこないました。

接着処理をしたパーツは1~2週間ほど置き、必ず完全乾燥させてください。

ヤスリ掛け

続いては、ガンプラ制作の中で一番手間と時間がかかる作業となる、ゲート跡処理と合わせ目消し処理のための「ヤスリ掛け」作業をおこなっていきます。

キットのほぼ全パーツにおこなう地道で地味な作業です。モチベーションを維持するのが難しい工程ですが、ここを乗り越えたら一気に完成に近づきますので、頑張っていきましょう。


腰のサイドアーマーパーツを例にします。

ニッパーでランナーからパーツを切り離し、


パーツギリギリまでニッパーで2度切りしたゲート跡3か所を、ヤスリ掛けで目立たないように平らにしていきます。


3か所とも直線的な面にゲート跡がありますので、ライフルのフォアグリップのパーティングライン消しと同様に400番のヤスリスティックのみでゲート跡を消すことができるでしょう。

ポイントは、一方方向に、力を入れず、軽ーく、です。

曲面にゲート跡がくるようなパーツには、スティックではなく400番のスポンジヤスリでゲート跡を消していきましょう。


ヤスリ掛け処理の仕上げとして、600番→800番と段々と目番を上げて、同じかしょを合計3回ヤスリ掛けをおこなっていきます。

上記の3回ヤスリ掛けの処理を、わたしはすべてのパーツにおこなっています。

簡単フィニッシュ製作法では、最終的につや消しトップコートを吹きかけて完成させます。

つや消しトップコートをおこなうことで、つや消し剤がヤスリかしょを埋め、ヤスリ跡がほぼ見えなくなり綺麗な仕上がりとなりますが、

400番や600番までのヤスリ掛けでやめてしまいますと、つや消し剤ではヤスリ跡が完璧に埋まらないことが多いです。

ですので、わたしは800番までの仕上げヤスリをおこなっております。


次に、HGのガンダム系に必須の処理となるアンテナフラッグのヤスリ掛け手順です。


まずは、ニッパーでフラッグ部を大まかに切り落とします。

切れ味が落ちたニッパーを使うと、アンテナ自体が折れる危険性が高くなりますので注意してください。


次に、デザインナイフでフラッグをギリギリまで削っていきます。

ナイフは必ず、アンテナの根元から先端へ一方方向へ動かしてフラッグを削って下さい。

ニッパーと同じく、切れ味の良いデザインナイフを使用しましょう。


最後はスティックヤスリで平らにならし、600番→800番のスポンジヤスリで仕上げます。

アンテナフラッグ処理は見た目アップの効果が高い必須の作業となりますが、慎重にゆっくりとおこなえば意外と簡単ですのでぜひチャレンジしてみて下さい。


合わせ目消し処理をおこなった接着部分をヤスリ掛けしていきます。

接着して1~2週間ていど経過したパーツの、合わせ目からムニュっとはみ出た接着剤部分を、まずは
デザインナイフで大まかに削ります。


大まかに接着剤部分を削ってから、


400番→600番→800番の順でヤスリ掛けをおこないます。

ここでも曲面部にはスポンジヤスリで、直線部にはスティックヤスリを使用します。これで、とくに白いパーツなどは遠目からだと合わせ目が目立たなくなるでしょう。

黄色の線で示した凹んだ部分に対しては、凹みにそってデザインナイフで削ったり、スティックヤスリのカドで接着剤をヤスると上手く処理できます。


ふくらはぎ部分の合わせ目も、ナイフで大まかに削り、スティックヤスリorスポンジヤスリでヤスリ掛けをおこなってみました。

ここも遠目からでは合わせ目が目立たなくなったと思います。


すべてのパーツで、ゲート跡と合わせ目のヤスリ掛けが完了しました。

濃い色のパーツを削ったあと、薄い色のパーツを削ると、濃いパーツの削りカスが薄いパーツに付いてしまうのが個人的に嫌なので、

「白→黄→赤→青→灰→黒」のような順番で、成型色ごとに私はヤスリ掛けをおこなっております。


ヤスリ掛けをおこなった後は、上のランドセルパーツのように削りカスが大量に付いていますので、


毛先の細い歯ブラシで、大まかにカスを取り除いています。


すべてのパーツの削りカスを歯ブラシで大まかに落とし、ヤスリ掛け作業が完了しました。

ゲート跡の白化処理

赤や青のような色の濃いパーツでは、ニッパーの2度切りのあとに細かい目番のヤスリで仕上げをしても、どうしても多少の白化が起こってしまうことがあります。


わたしの方法ですが、成型色に近いリアルタッチマーカーを白化部分に染み込ませて、ある程度目立ちにくくしています。参考にしてみて下さい。


青色のパーツにはリアルタッチブルーを塗ります。


リアルタッチマーカーを塗ったら、乾ききる前にティッシュペーパーなどで拭き取ります。

白化した部分に水性のマーカーインクが染み込み、ある程度白化が目立たなくなりました。


赤いパーツにはリアルタッチレッドを使います。


グレーのパーツにはリアルタッチグレーで白化部分を目立たなくしました。

スミ入れ

部分塗装の必要がないパーツの溝やモールドに、スミ入れをしていきます。

頭部パーツの合わせ目消しの項で触れたように、わたしはタミヤのエナメルスミ入れ塗料を使用しています。

エナメルのスミ入れ塗料を使用する際に必ず注意していただきたいのが、「パーツを組み立てる前にスミ入れをおこなう」ことです。

パーツを組み立てたあとの負荷(テンション)がかかっている箇所に、エナメル塗料やエナメル溶剤が入り込むと十中八九パーツが割れてしまいます。

必ず、パーツを組み立てる前にスミ入れをおこなうか、パーツ内の接続ピンをカットするなどテンションを可能な限りおさえて組み立てた後に、エナメルでスミ入れをおこなって下さい。


また、スミ入れ塗料はすべてブラックでおこなうのではなく、パーツの色に合わせて使い分けて下さい。すべてブラックでスミ入れをおこなうと、単調になったりクドくなったりします。

わたしは、黄色系のパーツであればブラウンを、


赤系であればダークブラウンを、


青系、グレー系であればブラックを、


白系であればグレイ、もしくはダークグレイでスミ入れをおこなっております。


スミ入れ塗装自体は非常に簡単で、ある程度のモールドの深さがあれば、溝にチョンチョンと塗料を点けるだけで自然とモールド内に塗料が広がっていきます。

簡単フィニッシュ製作の中では一番楽しい作業かもしれません。


必要なパーツすべてにスミ入れをおこないました。

足裏やシールド裏パーツのようなモールドの多いかしょは、チョンチョンと点けていくのではなく、フタのハケを寝かせてサササーっと塗り広げていくと時間を短縮できます。


すべてのパーツのはみ出た塗料を、エナメル溶剤を染み込ませた綿棒で拭き取っていきます。

エナメル塗料は簡単に落とせるので、これも楽しい作業です。


「合わせ目消し」「ヤスリ掛け」「スミ入れ」の作業が終わったパーツたちです。

このパーツたちをここで組み上げていきます。


組み上げが可能な部所ごとにパーツを組み合わせました。

ここまでくると、一気にテンション(興奮度)が上がってきます。

部分塗装

いよいよ部分塗装に入っていきます。

成型色を活かした簡単フィニッシュ製法での部分塗装の塗り分けは、その名の通りリカバーも簡単ですので、失敗を怖がらず積極的に塗装をおこなっていきましょう。

また、部分塗装を施すパーツは前もって食器用洗剤で洗浄しておいて下さい。

ヤスリ掛けの細かい削りカスや、手の脂分が付いたまま塗装をしてしまうと、塗料が定着しにくくなります。


最初は、大きすぎてスミ入れ塗料ではカバーできないモールドや溝を、ガンダムマーカースミ入れ用で塗っていきます。

シールド上部の丸い2つの穴?をブラックで塗ってみましょう。


丸穴のフチにそって一気にマーカーをグリグリと動かします。

ここは簡単に黒で塗りつぶせるかと思います。


続いて、胴体の青いパーツ上面と側面の段落ちモールドをマーカーで塗っていきます。

ここも溝の幅が広く、エナメルのスミ入れでは塗り潰すことができないので、マーカーで溝のフチにそって一気になぞって塗っていきます。


上面と側面の段落ちモールドをマーカーのブラックで塗りました。


腹部側面の段落ちモールドは、赤色の成型色のためガンダムマーカースミ入れ用ブラウンで塗っていきます。


胴体パーツの段落ちモールドを、ブラックとブラウンのマーカーにて塗装を完了しました。


ビームライフル銃口パーツの溝もマーカーブラックで塗装。


アンクルアーマー側面のマルイチモールド内の影となる部分も、マーカーブラックで塗装します。


ヒジとヒザ側面のマルイチモールドは別パーツ化されていますので、初心者にも塗り分けしやすく進化しています。


マルイチモールドの影となる部分を、ガンダムマーカーガンダムブラックで塗装し、


白いパーツをはめ込んで、ヒジヒザ側面のマルイチモールドの塗り分けが完了しました。


最後に、このキットで比較的難易度の高いかしょの部分塗装をガンダムマーカーでおこないます。

・頭部バルカン砲口のイエロー
・襟首パーツ内部のグレー
・股間パーツのV字部分のイエロー
・スネパーツのバーニア部分のグレー
この細かい4箇所に対して、筆を使って塗装をしていきましょう。


・塗料皿
・無水エタノール ※ドラッグストアで購入
・細目の塗装筆
・ガンダムマーカー ガンダムイエロー
・ガンダムマーカー ガンダムグレー
・絵具用パレット ※100均で購入
ガンダムマーカーの筆塗装には上記を使用しています。

それでは、グレー部分を筆で塗装していきます。


ガンダムグレーをシャカシャカよーく振った後、パレットにペン先を押し付けて塗料を適量出します。

私は塗料皿を洗浄する手間も省きたいので、パレットには塗料を出したきりです。
乾いた塗料は洗わず、次回もそのままマーカーを出して使用しています。

色ごとに区分けでき、調色をほぼおこなわないガンダムマーカー専用の塗料皿としてパレットは便利です。

また、ガンダムマーカーのガンダムグレーは、ガンダムイエロー同様に隠蔽力が高く扱いやすいので、これも1本持っておくとよいおすすめのマーカーです。

ただし色ムラは出やすいので、使用前によーく振って下さい。


筆に少量塗料を含ませて、


多少のはみ出しは気にせず、スネのバーニア部分をササっと筆先で塗っていきます。

はみ出し箇所は後できれいに処理できますのでご安心を。

塗料を筆に多く含ませ過ぎると、塗装が必要ない箇所にも流れていってしまいますので、少量ずつ筆に含ませて塗るのが部分塗装のポイントです。

1回目の塗料が触っても付かない程度に乾いたら、2回目の塗装をおこないます。

グレーは隠蔽力が高いので、2回の塗装でOKだと思います。


同じようにグレーで襟首パーツ内部も塗ります。

目立たない箇所ですが忘れずに塗っておきましょう。


次の色を使用するため、筆を洗浄しておきましょう。

アルコール系のガンダムマーカーの洗浄には、わたしは無水エタノールを使っています。

無水エタノールをスポイトで塗料皿に適量出し、筆に付いたマーカーを洗浄します。

洗った後のエタノールはティッシュに含ませ、乾燥させてからゴミ箱にポイできます。


続いてガンダムイエローで股間のV字マークと、


頭部バルカン砲口を塗装しました。

どちらもかなり面積が小さく塗りづらいですが、ここもはみ出しを気にせず豪快に塗っていきましょう。

ちなみに、頭部側面のダクト内はスミ入れ用ブラックで塗りました。


はみ出し部の処理です。

はみ出した塗料は、乾いた後にデザインナイフで削り取っていきます。

軽ーく刃先を当て、軽ーくナイフを動かし、表面の薄皮を剝がすかのようにコリコリと塗料を削ります。

ある程度パーツを傷付けても、最後のつや消しクリアーで傷を隠せますので、ここも失敗を怖がらずコリコリしていきましょう。

成型色を活かした簡単フィニッシュ製法では、このはみ出し削り処理が可能なことが最大のメリットだと個人的に思っています。


はみ出した塗料を削り取った股間パーツです。

大体の部分塗装かしょは段差やモールドなどの境目で区切られていると思いますので、その段差やモールドにそってナイフを動かせば、境目をキレイに削り取ることができるでしょう。


筆塗装後にはみ出し部分を削り取り、スミ入れまでおこなったパーツたちです。

これで部分塗装が完了しました。

洗浄作業

これまでの工程で、「合わせ目消し」「ヤスリ掛け」「部分塗装」「スミ入れ」を全パーツへ施してきました。

ここでようやく全体を組み上げることが可能となり、ついにキットの全貌が現れました。

興奮度はMAXとなるでしょうが、落ち着いてください。まだ最後の仕上げが残っています。


最後の仕上げをする前に、全パーツの洗浄作業をおこなうため、ある程度のブロックごとにパーツをバラバラにします。


洗面器に水を張り、食器用洗剤を数滴垂らします。

そこにブロックごとのパーツを放り込み、歯ブラシ等でゴシゴシと洗浄していきます。

ヤスリ掛け時の削りカスや手指の脂分を、ここで完全に落としておきましょう。
ゆすぎと、その後の乾燥も十分におこなっておいて下さい。

洗浄作業の手間と時間を省略したい方は、「超音波洗浄機」や「食器乾燥機(山善製)」を導入してみるのもよいかと思います。

シール、ステッカー貼り

キット付属のシールやステッカー、もしくは水転写デカールなどを貼り付ける場合は、塗装と同様、必ずパーツ洗浄の後に作業をおこなってください。

削りカスや脂分が残ったままですと、シールがパーツに十分に貼り付かない恐れがあります。

また、シールは台紙から剝がして貼り付けますが、ここで自分の指で作業をしてしまうと手指の脂分がシールに付いてしまいます。

必ずピンセットや爪楊枝、デザインナイフの刃先等で作業をおこなうようにして下さい。


シールが付属しているデュアルアイと股間V字部は部分塗装で補いましたので、頭部上部のメインカメラと後方サブカメラのみ付属シールを使用しました。

付属シールには厚みがあり貼付かしょがかなり目立ってしまうため、私は部分塗装で極力対応したいと思っています。

ただ、メインカメラ部のような凹んだ箇所に貼るシールに関しては厚みが目立ちませんので、積極的に使用するようにしています。

つや消しトップコート

さあ、最後の仕上げです。
パーツ全体につや消しクリアーをコートしていきます。


わたしが主に使用しているのは、クレオス社の缶スプレー「Mr.スーパークリアーつや消し」です。

ラッカー系の缶スプレーとなり、匂いがキツく有害成分が含まれておりますので、使用の際は必ず換気をおこない火気にも注意してください。

ご自宅の環境などでラッカー系が使用できないという方は、同じクレオス社の缶スプレー「水性トップコート」を使用するのがよいかと思います。


缶スプレーを自宅で使用する場合は、敷居が若干高くなりますが塗装ブースが必須となります。

わたしの場合は、タミヤ社の「ペインティングブースⅡ(シングルファン)」を風呂場に設置してスプレー作業をおこなっておりました。


タミヤのペインティングブースⅡ(シングルファン)は、吸引力はそこまで高くありませんので、少しだけ自分で改造して使っております。

改造といっても、ネットを参考に内部のフィルター構造を取り除き、若干の吸引力を高めただけなのですが……。


内部フィルターを取り除いたので、100均で売っている換気扇用フィルターを被せ、


さらにその上にハニカムフィルターを被せてスプレー作業をおこなっています。

100均の換気扇フィルターは詰まったら簡単に交換、使い捨てができるので便利です。


塗装しやすくするために、パーツに持ち手を付けます。

棒の先にクリップが付いた持ち手棒と、それを刺して安定して置ける台を準備しておきましょう。


小さいパーツだと、持ち手棒のクリップではさめなかったり、パーツの数が多すぎると持ち手が足りなくなったりします。

そんな時は割り箸に両面テープを貼り、そこに小さなパーツ類を多数貼り付けていくと、1本で多くのパーツをスプレーできるのでおすすめです。


まとまったパーツごとに持ち手棒ではさみました。これでスプレー作業の準備が整いました。

つや消しスプレーの場合はパーツを細かく分けなくとも、ある程度まとまった部所ごとでスプレーしても大丈夫です。塗料の節約にもなります。

スプレーは塗料と溶剤が霧状に飛び散ります。これらが体に付いたり吸い込んだりすると有害ですので、スプレー塗装をおこなう際は必ず下記を注意して下さい。
・窓を開けるなどの換気をする
・火気を近づけない
・パーツを持つ手にビニール手袋を着ける
・マスクを着ける
・メガネもしくはゴーグルを着ける


それでは、「塗装ブース → パーツ → 缶スプレー」と直線上にならべて、つや消しスプレー塗装をおこないます。

スプレーの出始めと出終わりはガスが安定せず塗料がキレイに飛ばないため、缶を小刻みに左右に素早く動かしながら、出始めと出終わりの塗装が掛からないようにスプレーしましょう。

また、つや消しクリアーは厚く塗りすぎたり、雨の日のように湿度が高いと、カブりといってパーツが白くなる現象が起こりやすくなりますので注意しましょう。

スプレーをうまく塗るコツとして、最初の1回目のスプレーを塗料が乗っているか乗っていないかぐらいの量で止めておくと、2回目からの塗料がキレイに乗るようになり、うまく仕上がることが多いです。

筆塗りもスプレーもエアブラシも、上手に塗るコツは同じです。

焦らず、塗料は薄めに、前の塗料が乾いてから塗り重ねる。これに限ります。


ヒジやヒザなどの関節があるパーツについては、最初の数回は関節を曲げてスプレーし、後の数回は関節を伸ばしてスプレーします。

すべてのパーツに、4回以上はローテーションで薄く塗り重ねていきましょう。


すべてのパーツにつや消しトップコートを施しました。あとは再度組み上げて完成となります。

つや消し剤の効果で、プラスチックのおもちゃ感が減って重量感が上がります。

また、細かいヤスリ跡も消え、塗装やシールが定着したりと、つや消しトップコートの効果はいいことばかりです。

ぜひ、簡単フィニッシュの仕上げにはつや消しトップコートをおこなってみて下さい。

おわりに

長い内容となってしまいましたが、以上がわたしのやり方で「HGUC 191 RX-78-2 ガンダム」を簡単フィニッシュで仕上げた手順の紹介となります。

ガンプラ製作に明確な決まりは存在しませんので、ガンプラ初心者の方や、ある程度作ってきてパチ組みを卒業しようかなと考えておられる方の一つの参考としてご覧いただけたら嬉しいです。

今回製作したキットは、下記のページでレビュー記事を上げております。

HGUC 191 RX-78-2 ガンダム(REVIVE) 簡単フィニッシュ ガンプラ レビュー


お付き合いありがとうございました。今後も皆さんのガンプラライフに幸ありますように。

ではでは。

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