はじめに
今回紹介するガンダムは、
HGUC 023「Sガンダム(エスガンダム、スペリオルガンダム)」です。
キットは2001年08月発売。定価1,800円(税抜)。
Sガンダムは模型雑誌「モデルグラフィックス」で
連載されたフォトストーリー「ガンダム・センチネル」で、
主人公リョウ・ルーツがメインパイロットとして
搭乗する主役ガンダム。
HGUC初期の頃は意外性のあるラインナップが多く、
このSガンダムが発表された際も驚かれた方が
大勢いたのではないでしょうか。
キットは大型MSとしてのサイズ感を再現。
ただし各戦闘機形態への分離・合体は再現されない
MS形態のみのモデルとなっています。
※機体本体と基本装備のみに
ゲート処理、合わせ目消し、部分塗装、スミ入れ、つや消しクリアーの
簡単フィニッシュを施したキットの素立ちレビューとなります。
素立ち総観
装備は両腰に大腿部ビームカノンを取り付け、
右手にビームスマートガンを持たせています。
本来Sガンダムの設定では
この両装備は排他関係にあるのですが、
下記の理由により私はこのように飾っております。
・ビームスマートガン組み立て時にポリキャップを
挟み込まず接着してしまったため、
左腰エネルギー供給ユニットのボールジョイントを
スマートガン下部に固定出来なくなってしまった。
・本キットではスマートガンを両腕で構えるポーズをとる場合、
スマートガンのアームが右腰のピンに届かない。
・スマートガン収納状態だと、左腰エネルギー供給ユニットの
ボールジョイントが目立つ。
・個人的なSガンダムのイメージで、両装備ともに特徴的で
印象が強い。(パッケージアートでも両方装備している)
また、スマートガンを掴む右平手と、成型不良だった
スマートガンのアームをHGUC 029のEx-Sガンダムから
拝借しました^^;
本キットには付属しておりませんのでご注意下さい。
関節構造
首は一軸ボールジョイント。
頭部の可動範囲は少なく、顎パーツが
胸上部の黄色部分と干渉するため俯けません。
腰は棒一軸で接続。
設定通り(だと思いますが)、回転はできません。
肩の接続は、胴体との間に関節パーツを挟む構成。
関節パーツによりスイングが可能で
胸を張らせることが出来ます。
股のボールジョイント。
これだけの大型キットを支えるのには
心許ない構造です。
足首のボールジョイント。
ボール部分はテープで補強を施しています。
また、大腿部ビームカノンが太もも上部の
一軸ピン接続のため、可動範囲をかなり妨げます。
合わせ目
頭部ヘルメットと赤のインコムパーツは左右貼り合わせのため、
真ん中に合わせ目が出ます。
肩アーマー上部。
肩関節の接続パーツも上下貼り合わせ。
胴体側面のダークブルーパーツ。
腕部は前腕の白いパーツが左右貼り合わせ。
脚部は太もも正面と、
スネの正面に出ます。
背面の合わせ目は非常に多く、
テールスタビレーター
バックパック左右ユニット
背部ビームカノン
肩部ウイングパーツ
において中心に出ます。
大腿部ビームカノンの側面。
ビームスマートガンもモナカ張り合わせ。
長大なため、処理は苦労します。
アームパーツにも合わせ目が出ます。
※使用しているのはEx-Sガンダムのアームパーツです。
部分塗装
頭部。額センサー周りのレッドを塗装。
額センサー内のシールは付属しておらず塗装も難しかったので
胸上部センサーシールの余白を切り出して貼付。
ヘルメット側面の特徴的なダクトフィンはイエローで塗装。
ツインアイもメタグリーンで塗装。
胸上部のセンサーはシール。
肩アーマー上部のフックパーツを
ガンダムマーカーメカグレーで塗装。
左肩の「01.」は付属のマーキングシール。
ウイングパーツの縁のレッドと、
肩アーマーのダクトなど奥まった箇所をミッドナイトブルーで塗装。
アンクルアーマー後方のバーニアをイエロー。
前腕の内側、太もも上部、ニーアーマー、
足の甲などの各箇所ミッドナイトブルーも塗装。
テールスタビレーターは上部をメカグレー、各センサーを
メタグリーン。背部ビームカノンの基部はミッドナイトブルーで。
尻部ウイングパーツの縁をレッドで塗装。
とにかく各所の細かいミッドナイトブルー部の塗装が多かったです。
注意点
下半身の関節が弱いので転倒しやすいです。
また、素立ち総観で述べた武装関係にも注意してください。
キット比較
同時開発され、似たコンセプトを持つダブルゼータガンダムと比較。
ダブルゼータも大型MSの部類に入りますが、
それに輪をかけて巨大な機体サイズです。
RX-78と並べた場合、こうなります。
素立ちキマリ度
評価:★★☆☆☆ 星2つ
頭部が大きめの造形で、デザイン画よりも等身が低く感じます。
また、ダブルゼータと同様に激しくトップヘビーな
バランスにも関わらず、下半身の関節構造が古く緩めで
自立はスタンドを使用しないと難しいです。
改造せずに素立ちをカッコよく決めるのは困難でしょう。
思起 Sガンダム
名称については、幼少時に覚えたスペリオルガンダムの
語感のカッコよさが強く残っていて、商品名の
S(エス)ガンダム呼びには未だに違和感を感じます。
実はガンダム・センチネルを読んだことがありませんので、
Sガンダムの活躍は断片的な情報でしか知りません。
いちガンダムファン、いちガンプラファンとして、
今回のレビューをきっかけに手に取ってみたいと思います。
Sガンダムについては、SDガンダム世代としては何と言っても
スペリオルドラゴンです。
全身金メッキの元祖SDは尻尾と翼が連動したり、
ドラゴンモードにできたりとプレイバリューの高い逸品でした。
Mk-IIIモチーフの騎士ガンダムと片割れのブラックドラゴンが
融合して、Sガンダムモチーフの騎士スペリオルドラゴンになる。
当時のSDガンダムらしい使える機体は何でも使う感が溢れた、
まさにSDの神だと思います。
今回のHGUC Sガンダムを製作する前は、強化型の
HGUC Ex-Sガンダムを組んだことがあります。
とにかくMG並のボリュームと、自立など絶対にできそうにない
各部のバランスに当時ビックリしました。
おわりに
HGUC 023 Sガンダムは、
正直出すのが早過ぎたかな、と感じる中途半端な
クオリティだと厳しめに言わざるを得ません。
可動範囲も有って無いようなものでカッコいいポーズも
取れませんし、簡単フィニッシュで仕上げるにも
それなりの手間がかかり難易度も高いです。
人気のある機体なので、差し換え変形が可能なリニューアル版を
是非とも出して頂きたいものです。
(版権問題が難しいでしょうが、できたらアニメ化も!)
ではでは。
コメント