はじめに
今回紹介するガンダムは、
HGAW 109 「ガンダムエックス(ガンダムX)」です。
キットは2010年04月発売。定価1,800円(税抜)。
ガンダムエックスはTVアニメ「機動新世紀ガンダムX」で、
主人公ガロード・ランが搭乗する前半の主役ガンダム。
ガロードがガンダムダブルエックスに乗り換えてからは、装備が換装された
ガンダムエックスディバイダーにジャミル・ニートが搭乗しました。
No.100を超え、ガンダムUCシリーズを絶賛展開中だったHGUCで
突如発表されたアナザーガンダムのリニューアルHG化。
その第1弾として発売されたHGAWガンダムエックスを
簡単フィニッシュ仕上げでレビューいたします。
※機体本体と基本装備のみに
ゲート処理、合わせ目消し、部分塗装、スミ入れ、つや消しクリアーの
簡単フィニッシュを施したキットの素立ちレビューとなります。
素立ち総観
右手にシールドバスターライフルを装備。
追加装備のショルダーバルカンはオミット。
素立ちで飾ることを前提としているため、サテライトキャノンの
展開もオミットしています。
関節構造
首関節はポリキャップのダブルボールジョイントですが、
可動範囲は狭く、顎パーツが胴体に干渉するため頭部を下げることはできません。
胴体は腹部と腰部でボールジョイント可動。
肩部の接続はボールジョイント。
股関節もボールジョイントになっていました。
これ以降のHGUCキットは、ボールジョイントから軸関節にどんどん移行していきました。
足首関節。アンクルアーマーは1パーツ構成で、足首の側面に
ボールジョイント接続になっています。
股関節がボールジョイントの割には開脚範囲は広いです。
逆にヒジとヒザは90度程度しか曲げることができませんでした。
合わせ目
頭部側面。
前腕の内側。
ひざ裏。
サテライトキャノンの砲身に合わせ目あり。
胴体側面の合わせ目は処理しておりません。
GXの本体には正面にくる目立つ合わせ目はありませんでした。
部分塗装
頭部の部分塗装は、ツインアイをメタグリーン。
ダクト類の中をブラックで塗りました。
メインカメラの前後は付属シール。
胴体部は肩部のバイオレット、ブレストバルカンをグレーで。
胸部ガイドレーザー受信部は、グリーンのクリアパーツ内に付属の
ホログラムシールを貼付。黄色ダクト内の黒もシールを使用しています。
腰部下部のダクト内のブラック。
リアアーマーの▽をレッドとブラックで塗り分け。
ヒザアーマーの▽もレッドとブラックで塗り分け。ダクト内をブラック。
背部リフレクターのスラスター内をグレーに。
リフレクターを開いた内部にはホログラムシールを貼るようになっていますが、
展開はさせないため貼付していません。
サテライトキャノンのディテール内と、大型ビームソードの柄部をグレー。
キャノンのセンサーはシールです。
シールドバスターライフルのシールド部のフチをブラックで塗装。
注意点
組み立てに特に注意はありませんが、成型色が設定通り独特のカラーリングと
なっています。ブルーは緑がかった青、レッドは緋色に近く、イエローも
オレンジ寄りです。また、ポイントで紫もあります。
塗装する際の調色は難易度が高いかもしれません。
キット比較
連続でリリースされたアナザー系ガンダム、HGFCゴッドガンダムと比較。
プロポーションの方向性や関節構造等、発売日が近いわりに
かなり造りは異なっています。
GXの完成度は高めですが、ゴッドは少々残念なところがありました。
平成ガンダム4作品の前半主役ガンダムを並べてみます。
思い入れのある作品の4体が、このクオリティで立ち並ぶ絵には感無量です。
素立ちキマリ度
評価:★★★★★ 星5つ
個人的には文句なしのカッコよさです。
思起ガンダムエックス
「機動新世紀ガンダムX」は前作のガンダムWと比べ、話の展開とビジュアル面が
非常に地味だったため、当時の私はそこまで熱心に視聴はしていませんでした。
ただ、年齢を重ねるに連れ主人公ガロード少年の真っすぐなひたむきさに
心打たれるようになり、今では何度も見返すほど大好きな作品となりました。
少々残念だったのは、キャラ描写は全体的に丁寧だったのに対し
戦闘シーンは単調さが目立ったこと。
何より残念だったのは、1クール分の話数が短縮されたことでした。
駆け足気味でもラストまできちんとまとまっていましたが、
もう少し宇宙編でのガロード達の活躍を見てみたかったです。
ガンダムエックスは作中ではほぼ「GX」または「GX-9900」と呼ばれていました。
型式番号がパッと思いつくガンダムの一つですね。
本体デザインは細身で、現在の目で見てもカッコいいガンダムだと思います。
背中のサテライトキャノン斜め差しもあり、イメージモチーフが
佐々木小次郎というのも納得。サテライトシステムのリフレクター収納状態が
L字という独特の配置も面白いです。
ただ正直に言うと、私はガンダムエックスディバイダーの方が好みです。
ライフル、シールド、2本のサーベルと、より汎用的となった正統派ガンダムの
シルエットがたまりません。見た目のキャッチー具合で言えば
歴代上位に入るデザインだと思います。
キットは当時、旧1/144と1/100HGのディバイダーを持っていました。
旧1/144は何気に私がガンダムマーカーを使用して部分塗装を施した
初のガンプラだったと記憶しています。
コクピットハッチと足の甲をマーカーホワイトで直塗りをしましたが
当時のガンダムマーカーは水性でトップコートもしていなかったため、
すぐ剥げ剥げになってしまいました。
今回のHGAWではどちらの箇所もパーツで色分けされていたのは感慨深いです。
1/100HGのXディバイダーはパネルライン多めのアレンジでしたが、
出来は良かったと思います。ただし、ディバイダーが左手でまともに
保持出来なかったのが残念なポイントでした。
MG含む90年代の大型キットに付属していた可動指は、造形と保持力の無さで
私はどうしても好きにはなれませんでした。
最近のMGには掌にピンがあって改善されていますね。
おわりに
HGAW 109 ガンダムエックスは、AGP以前にリリースされたアナザー作品の
第1弾として上手く設計されており、プロポーション、色分け、稼働範囲のすべてが
高品質のキットとなっています。
関節もKPSではなく、ダブルオー2nd以降の小型ポリキャップを使用した
安定感のある構造です。旧1/100HGのオマケだったショルダーバルカンが付属するのも○。
唯一の不満点は、シールドバスターライフルのシールドモードで
グリップポジションが可動しないことでしょうか。
とにかく1/144サイズのGXのキットとしては決定版と言える好キットです。
番組が不遇だった分、近年のプラモデルの出来では優遇されて嬉しい限りです。
ではでは。
ガンダムダブルエックスのレビューはこちらです。
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