はじめに
今回紹介するガンダムは、HGCE 171「エールストライクガンダム」です。キットは2014年02月発売。1,300円(税抜)。
エールストライクガンダムはTVアニメ「機動戦士ガンダムSEED」で、主人公キラ・ヤマトが搭乗する前半の主役ガンダム。キラがフリーダムガンダムに乗り換えた後はムウ・ラ・フラガが引き継いで搭乗。
ビルドシリーズのガンプラ改造機キット化 → オリジナルMSのキット化や、関節にKPSを使用した現在にいたるHGキットの一つの流れを作った、
オールガンダムプロジェクトでリニューアルされたHGCEエールストライクガンダムの簡単フィニッシュをレビューいたします。
※機体本体と基本装備にゲート処理、合わせ目消し、部分塗装、スミ入れ、つや消しクリアーの簡単フィニッシュをほどこしたキットの素立ちレビューとなります。
素立ち総観
右手にビームライフル、左手に対ビームシールド、背中にはエールストライカーを装備。
近接戦闘用ナイフのアーマーシュナイダーはオミットしています。
エールストライカーの主翼は折りたたみが可能。発艦シーンの再現や、コンパクトなディスプレイもできるようになります。
関節構造
首関節は上下ダブルボールジョイントのポリキャップ。(エールストライカーがなければ)首まわりがスッキリしているので可動性は高く、アゴを引いたうつむきポーズも可能です。
胴から腰にかけてはの2個のボールジョイント接続。そこまで自由度が高いということはありませんが、微妙な表情付けはできます。保持力も高いです。
胴体と肩ブロックの接続もボールジョイント。
胸を張ったポーズもとれますが、エールストライカーを装着すると首まわり、肩まわりの可動が若干制限されます。
股関節は2010年代よりスタンダードとなった軸関節の組み合わせにより、可動範囲と保持力が高いものとなっています。
足首の関節構造。この当時はめずらしかったと思いますが、アンクルアーマーをボールジョイントで接続するもので、広い足首の可動範囲を確保しています。
ヒジとヒザ関節がKPS素材の二重関節となり、180度までとはいきませんが、SEEDポーズを付けやすい高い可動範囲を持っています。片膝立ちもキレイに決まります。
合わせ目
頭部ヘルメットは前後貼り合わせですが、変則的なラインで合わせ目が出ます。側面ダクト後ろの合わせ目はモールドラインと解釈し、私は処理はしませんでした。
脚部は裏のふくらはぎ面に合わせ目あり。本体は以上となり、正面に合わせ目が出ない優秀なパーツ構成だと思います。
ライフルは左右貼り合わせのモナカ構造で中心に合わせ目が出ます。
部分塗装
頭部はデュアルアイをイエロー、バルカン砲部をグレー、側面ダクト内をブラックで塗装。メインカメラの前後はシールを使用。
胴体の塗装箇所は、腰フロントアーマーとリアアーマーのスラスター内をブラックに塗った程度。
脚部は目立たないですがソールパーツの中心部付近、バーニアまわりをグレーで塗装が必要です。
武装では、シールドの上部をホワイトで塗装する必要があります。
エールストライカー主翼のレッド部を塗装。ここの塗装範囲は広いので、できればパーツ分けをしてほしかったところ。
注意点
エールストライカー主翼の塗装箇所が、ブラック成型色の上にレッドを塗る必要があるのでかなり塗りづらいです。まず下地にホワイトやピンクを塗ってからレッドを塗るようにしてください。さらに、塗装面積も広めで、筆塗りだとムラが目立ちやすいかも。
また、背中のエールストライカーが重めで後ろに倒れやすいので、ディスプレイ時には注意です。
キット比較
当時、SEEDは21世紀のファーストガンダムという触れ込みでしたので、ファーストガンダム(発売時期の近いHGUC191 REVIVEガンダム)のキットとファースト比較。
また、ひとつ前のTVシリーズだったターンAガンダムとも比較してみました。
ストライクのデザインはガンダムの記号を踏襲しつつも、シンプルかつ新時代を感じさせるよくできたデザインだと思います。さすがにターンAのデザインの後ではインパクトは薄れてしまいましたが……。
あとはやはり、SEEDガンダムたちの特徴ともいえる背負い物(エールストライカー)の存在感が目をひきますね。
素立ちキマリ度
評価:★★★★☆ 星4つ
ストライクガンダムとして劇中のカッコよさをかなり再現したキットです。エールの翼の大きさも劇中通りでうれしいポイントです。
減点ポイントとしては、エールストライカーの重みで前かがみ気味にしないと後ろにたおれやすいこと。
また、ヒジの二重関節がAGP共通の構造のため、設定のデザイン通りではないことが気になりました。後に発売されたエントリーグレード(EG)ストライクでは設定画通りのデザインなので、HGCEはそこが惜しいです。
思起 エールストライクガンダム
「機動戦士ガンダムSEED」は、大好きだった「∀ガンダム」から久しぶりのTVシリーズのガンダムだったので、放送前はめちゃくちゃ期待していました。
さらには、こちらも大好きだった「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」シリーズの福田監督ということでしたので、さらに期待値は爆上がり状態だったと記憶しています。
結果的に、ストライクガンダムにキラが搭乗していた番組前半は毎週ワクワクしていた、というのがSEEDの感想でしょうか。
キャラクターとしては、キラのまわりをひっかき回す役割のフレイと、当時ネットでいじられていたディアッカが好きでしたね。
ストライクのデザインは、というか初期GAT-Xガンダム5機のデザインはどれも好きです。特にイージスの初見では解読できない変形機構がお気に入りでした。
ストライクはブランドごとに早期に発売が決定される、今や定番の人気ガンダムの1機となっていますね。
装備の換装で高機動、近接、遠距離を使い分けできるのは男の子にはたまらないプレイバリューですし、スカイグラスパーとの連動もとても機能的であり魅力的です。
ストライクルージュというラインナップに優しいカラバリ機もありますが、ムウがストライクを引き継いだので、カガリにはルージュではなく自爆の残骸を修復したイージスに乗って欲しかったかな。
放送当時のキット購入は、旧HGのエールと1/144コレクションのソードとランチャーを所有していました。HGキットは大河原御大の設定画寄りのプロポーションで関節範囲も狭く、当時のHGUCキットよりもだいぶ劣る印象でした。
それでもコレクションキットより出来はよかったので、コンプリートを目指しHGシリーズを買いあさっていました。
ソードとランチャーがHGで発売されなかったのは残念でしたが、コレクションで救済されたのは嬉しかったです。
おわりに
今回のHGCE 171 エールストライクガンダムは、オリジナルのストライク発売をあらかじめ織り込んだ構成でビルドストライクガンダムを先行した後、満を持してリリースされたキットです。
新素材KPSの関節を盛り込み、当時のHGとは比較にならないほど進化を遂げておりました。作りやすさ、色分けや可動性、価格帯においても誰もが満足できる高水準のキットだと言えます。
背中の重みで自立しにくい場合があるため、ぜひスタンドを使用して、OPタイトルバックのポーズで飾ってみるのはいかがでしょうか。
ではでは。
HGCE フリーダムガンダムのレビューはこちらです。